中国各地で豪雨被害、秦始皇帝・兵馬俑展示施設も浸水―中国メディア

中国各地で大雨による被害が続いている。陝西省西安市では秦・始皇帝兵馬俑展示施設に水が流れ込んだ。中国ではこのところ、黒龍江省吉林省山西省広東省など、広い地域にわたって大雨による被害が発生している。中国中央気象台は20日午前8時から21日午前8時までの予報として、黒龍江省吉林省などで雷と強い風を伴う豪雨が発生する恐れがあると発表した。
兵馬俑展示施設の浸水については、現場に居たとする人による動画投稿に基づいて、香港メディアの蘋果日報(アップル・デーリー)などが報じた。西安市は18日に大雨に見舞われ、同市西郊外にある始皇帝兵馬俑坑1号坑の展示施設に同日午後3時ごろ、水が流れ込んだという。施設には多くの見学客がおり、水の深さは太もも程度にまでなった。
中国メディアの報道は少ないが、金融関連の情報サイトである金融網は19日、同施設は兵馬俑の保護のためにさまざまな安全対策を施しており、18日の浸水でも兵馬俑の被害はなかったと伝えた。
その他の地方でも被害が相次いでいる。中国メディアの新浪網などによると広東省深セン市では同日、市街地道路の冠水や陥没、山間部の道路が崩れるなどの被害が発生した。
気象情報サイトの中国天気によると、山西省晋城市陽城県では19日、急な大雨のために「鉄砲水」が発生。山から市街地に流れ込んだ大量の泥水が、多くの自動車などを押し流した。死傷者数などは伝えられていない。
新華社などによると、黒龍江省尚志市では19日、大雨で増水した川の水が、複数の個所であふれ出た。一部家屋が流され、道路や電力・通信網も途切れた。黒龍江省当局によると、被害が集中しているのは尚志市の紅石村、楡林村など。20日午前1時時点で武装警察隊が出動のための集結を進めている。被災地近くでは自動車が使えないため、最終的には徒歩で向かうという。死傷者などについて20日未明時点では伝えられていない。
中国では6月から、各地で大雨による被害が続いている。湖南省湘郷市では7月1日、大雨で川の堤防が決壊して、現場指揮のために現場を訪れた市の幹部が自動車ごと流されて死亡した。貴州省西部の晴隆県では2日午前10時ごろ、ガス管から漏れたガスが爆発。大雨により路面が陥没してガス管が破損したことが原因の事故と報じられた。同事故では8人が死亡し35人が負傷したと発表された。(翻訳・編集/如月隼人)