陝西の周原遺跡で大型のため池遺構を発見(転載)

新華社西安12月27日】中国の考古関係者が先ごろ行った発掘調査で、2500年前の周原遺跡に宮殿式の建物や工房だけでなく、9万平方メートルのため池と2000メートル以上の水路が存在していたことを確認し、この都城級の集落遺跡の水利施設に関する神秘のベールをはがした。

陝西省の周原一帯は周王朝の発祥の地とされており、漢代以降、周原では多くの青銅器が出土している。西周時代の青銅器が最も多く出土した地域で、「青銅器の故郷」と呼ばれる。

発掘を指揮した周原博物館の張亜イ(火+韋)館長は次のように説明した。ため池と水路の遺構は周原地区の中心部にあたる雲塘、斉鎮一帯にあった。東西に展開するため池と水路はつながっている。水路の両側には、これまでに発見された大型の宮殿式建築の生活区と骨器・土器工房の生産区が分布しており、周原遺跡の2500年前の水利施設が再現された。

発掘によると、ため池は不規則な円形で、東西約300メートル、南北約280メートルで、面積は9万平方メートルに達する。ため池を囲む石板は不規則で、幅は一定ではなく、最も狭いものは約6メートル、最も広いものは約26メートルだった。周辺部には傾斜があり、中央部はほぼ平らだったが、深さにはばらつきがあり、最も浅いところは1メートル未満で、深いところは3・6メートルくらいだった。

ため池の東側には長さ1669メートルの東西方向にのびる水路があった。水路の深さは2メートルあまりで、幅は広いところが約2メートル、狭いところが1メートル未満だった。さらに東側に続いていたかどうかはわからないが、東西方向の水路の東側では、十字に交差する南北方向の水路も見つかった。長さは約440メートルだった。2本の水路の構造は基本的に同じで、堆積層からは西周時代の土器片や瓦片が数多く出土した。

発掘に参加した周原博物館の劉万軍氏は次のように述べた。周原の発掘でため池や水路が見つかったのは初めてのことで、遺跡からは西周時代の貝の貨幣、玉器、石器など貴重な遺物が発見された。これらの遺物は周原の都城調査に役立ち、当時の水利プロジェクトを研究するための貴重な資料となる。