漢代長安の道路遺跡が発見される 文献記載の「函古道」か

陝西省考古研究院は28日、「2023年4月から12月にかけて、西安市の東郊外で務荘道路遺跡、謝王荘道路遺跡、東方紅遺跡の3カ所の道路遺跡が発見された。これは、漢代における長安郊外の道路交通を研究する上で重要な資料となった。発見された道路のうち1本は、文献に記載された『函古道』である可能性がある」と発表しました。

 

 3カ所の遺構のうち、謝王荘道路遺跡は灞河の東、漢代の長安の宣平門から約12.5キロ離れた位置にあります。ここでは5本の道路が発見されました。この遺跡は上下2層に分かれ、最も幅が広い部分は約55メートルで、約40本のわだちが見え、軌間は約1.2メートルあります。出土した瓦や軌間の分析に基づいて、漢代のものであることが分かりました。この謝王荘道路遺跡は現在、灞河の東で発見されている中でも最大規模の道路遺跡で、長安と関外を結ぶ幹線道路文献に記載された『函古道』である可能性が高いとみられています。

 

 務荘道路遺跡も灞河の東にあり、灞河からは3.4キロ離れています。こちらも上下2層に分かれており、上層が唐代の道路で、下層が漢代の道路となっています。務荘道路は謝王荘道路と平行に延びており、謝王荘道路の南東部にありますが、その北西の支線は謝王荘道路とつながっていた可能性があり、漢代の長安から東に出る幹線道路の支線だったのではないかということです。(張、謙)