陝西省旬陽で鶏血石ラッシュ、地下のお宝探しに血眼

 鶏血石は日本ではあまり聞きませんが、中国では有名で、ゴールドラッシュならぬ鶏血石ラッシュが起きているようです。山師がたくさん押し寄せ、乱開発が行われているでしょう。

 鶏血石は大きいものは置物にしますが、値段は産地と加工技術で大きく違うようです。小さいものは印鑑になり、私も友人にすすめられたことがありましたが、買いませんでした。

 蒙古・巴林、浙江・昌化、貴州・寿山という鶏血石の3大産地の資源が枯渇に近づき、陝西の旬陽の埋蔵量が最大になった。2000年頃には道端に捨てられていた鶏血石が出世し、2011年5月から突然、この小さな街に鶏血石ラッシュが起きた。

 2011年10月、契約期限が間近の水銀、アンチモン鉱で、発破をかけると、厚さ20センチ、長さ3メートルの赤い石が出てきた。この層は破壊され、砕石となった。

 高級工芸美術師の林さんは、もしこの層が元のまま取り出されたら、100億元はしただろうという。現場にいた鉱員が破片を持ち出し、鉱山主が話を聞いてやってきた時には、宝はことごとく拾われたあとだった。

 最初は1斤1,000元程度だったが、値段は毎日跳ね上がった。浙江省福建省などから買い手が高級車で乗り付け、10斤のものが30万元で売れ、数十グラムのものが1万元で売れた。数十万元で買ったものを持ち帰って加工すると数百万元になる。

 鶏血石は地質の作用で岩石が硫化水銀液で浸潤されてでき、鶏の血のように赤い中国独特の珍しい宝石で、1億年前のジュラ紀の火山の噴出岩中にある。3000年以上前から、印鑑や置物として珍重されてきた。

 1960年代に、地質専門家が旬陽で2,000以上の古い水銀の鉱洞跡を発見、古いものは秦漢時代のものと分かった。秦の始皇帝の墓にある大量の水銀の産地である可能性が高い。

 2011年5月、旬陽政府が専門家を招いて調査し、彼らは旬陽鶏血石を非常に高く評価した。政府はこの情報を秘密にしたが、すぐに漏れて、江浙、福建、上海、西安などから多くの商売人が押し寄せた。


鶏血石原石の写真:http://tieba.baidu.com/f?kz=1244620794