遣唐使に思いはせ、西安に来た日本人留学生 中国陝西省

遣唐使に思いはせ、西安に来た日本人留学生 中国陝西省
西安市内のレストランで、陝西省の麺料理(小麦粉で作った食べ物)を食べる熊谷花奈さん。(資料写真、西安新華社配信)

 

 【新華社西安7月4日】中国陝西省西安市南東部の楽遊原にある青竜寺を訪れた日本人留学生、熊谷花奈さん(24)は、千年余り前に長安(現在の西安)へ留学した遣唐使もこの地の文化に魅了されたのだろうと感慨深く語った。

 

 静岡県出身の熊谷さんは2022年9月、西北大学都市計画専攻の大学院生として西安にやって来た。学生時代を過ごした京都は唐の都の建築デザインを手本に建設され、今なお唐代建築の風格を色濃く残すと紹介した。

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西安市青竜寺にある空海記念碑。(資料写真、西安新華社配信)
 留学を決めた理由については「歴史的建築物の保護と経済発展の協調について研究したい。そのためには唐の時代の長安城や中国の古代建築文化に加えて、今の西安についてもしっかり理解する必要があると日本の先生にアドバイスをもらった」と話した。
 西安交通大学外国語学院の金中(きん・ちゅう)教授によると、唐代の長安城には先進的な文化や制度を学ぼうと周辺国から使者が派遣されていた。特に日本は遣唐使を大規模に派遣し、さまざまな文化や制度、芸術、技術を持ち帰り、中日文化交流史における美談の一つになっているという。

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西安市の興慶公園にある阿倍仲麻呂記念碑。(資料写真、西安新華社配信)

 熊谷さんは、授業を通じて遣唐使の歴史が深く印象に残ったという。「西安の盛唐期の遺跡を巡りたいと思う日本人は多い。ここには日中交流のエピソードが本当にたくさん残っている」と語り、青竜寺の空海記念碑や桜の木々、興慶公園の阿倍仲麻呂記念碑、環城公園の吉備真備記念碑、西北大学博物館収蔵の遣唐使井真成墓誌などを例に挙げた。

 この1年足らずの間に大明宮遺跡公園や大雁塔、大唐不夜城などの文化スポットを訪れ、同市が持つ歴史文化と現代観光、両方の魅力を感じ取り、名物の肉夾饃(ロウジャーモー、中国風のハンバーガー)や麺料理も気に入ったという。

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陝西省「一帯一路」国際学生文化芸術祭で記念撮影する西北大学の留学生。(資料写真、西安新華社配信)
 千年の歴史を持つ古都、西安はここ数年、中華の優れた伝統文化の伝承と発揚に力を注いでいる。恵まれた歴史・文化観光資源を深掘りすることで、国内外で人気の観光地になると同時に、周辺国の学生にとって人気の留学先の一つにもなった。(記者/張京品、許祖華)

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卒業を祝う西安交通大学2020年卒の留学生ら。(資料写真、西安新華社記者/李一博)