陝西西安で中国最古の彩色大型仏灯が出土(日本新華僑報より)


陝西西安で中国最古の彩色大型仏灯が出土(日本新華僑報より)



2010/02/19 22:06:53  作者:中国通信社

 (中国通信=東京)西安16日発新華社電によると、8体の座仏をあ
しらった高さ60センチ余りの九枝蓮花灯が、陝西省西安市で発見された1500年余り前の墓から出土した。専門家は「中国最古の大型仏灯で、中原地区にお
ける仏教伝播の研究に重要な手がかりを提供するものだ」と語っている。



 陝西省考古研究院の研究員劉呆運氏は「出土した彩色九盞蓮花灯は灯座と九つの灯盞からなっており、円筒形の灯架の柄の部分には8体の仏像がある。8体の仏像は同じ形をしている」と説明した。



 この仏灯が出土した墓は西安空港第2期拡張工事の工事現場にある。他の2基の墓と共に「品」字型に配置されている。3基の墓は、いずれも全長が37メー
トルを超えており、地下9〜12メートルの地中に埋葬されていた。発掘した状況から判断すると、3基の墓の年代は異なっている。墓の規模と出土した副葬品
からみると、いずれも十六国時代の貴族墓の典型的な特徴を備えている。



 劉呆運氏は次のように述べた。西安空港の拡張工事の現場で発見された十六国時代の16基の墓は、すべて斜坡墓道洞墓である。墓道に2段あるいは3段の階
段がある墓が多く、階段は墓道の口から墓室の方向へと下って伸びている。出土した器物は陶器が多く、磁器、漆器、鉄器も少数だが出土した。出土した代表的
な陶器は、帯甲武士俑、男立俑、車を引っ張る牛、七枝陶灯、九枝陶灯、彩色女侍俑、鞍馬、陶竈などだ。仏灯のほか、蓮花灯も4、5点出土した。仏教の影響
を受けていることを示すものだ。



 さらに次のように説明した。仏教が中国に伝来したのは紀元前のことで、仏教の伝来から3、400年後の十六国時代の長安では、いたるところで仏教寺院が
みられるようになっていた。特に北魏時代は、陝西省のいたるところで石刻の仏像がみられるようになっていた。しかし仏像が墓の副葬品として出土するのは中
国でも初めてのことで、仏教が中国の上層階級の人々の精神、制度、価値観に影響を与えるようになり、中国人の生死観に重要な役割を果していたことを物語る
ものだ。



 十六国時代は、多くの民族が誕生した中国の歴史にとって重要な意味を持つ時代で、匈奴鮮卑、羯(かつ)、羌(きょう)などの民族が黄河流域に16の政権を樹立した。



 仏教考古の専門家である陝西省考古研究院の張建林副院長は次のように語った。大型仏灯の出土は、十六国時代における仏教の発展と伝播の研究、特に中華文
明の最も重要な表現方式の一つである埋葬制度への仏教の影響の研究に重要な手がかりを提供するものだ。仏灯の出土は、仏教の本土化を示す重要な証拠でもあ
る。