延安市


延安市は陝西省北部、黄土高原中部に位置し、東には黄河があり山西省と接し、西は甘粛省と接している。面積は3万6712平方キロメートル、人口は216万人に達する。

 延安は中国の歴史ある文化都市であるのみならず、中国の革命聖地であり、中国近代史で重要な位置づけとなっている。抗日戦争と解放戦争の際、中国共産党中央と毛沢東(1893−1976年)が延安で13年間生活を送り、戦いを繰り広げた。これにより多くの貴重な文化財と記念地が残され、「延安精神」と呼ばれる精神的財産が受け継がれた。中国共産党中央軍事委員会八路軍本部の所在地である王家坪、中国共産党中央の旧址である鳳凰山、宝塔山、棗園、楊家嶺などでは、革命のため命を投げ打った人物の奮闘の歴史が刻まれている。

 延安は革命聖地であるほか、忘れることのできない印象を残す観光名所でもある。宜川黄河壺口瀑布、中国最大の野生牡丹園、洛川高原の典型的な黄土地形は広々とした高原の風景を描き出す。民謡のジャンル「信天遊」、勢いある腰鼓は黄土の味わい深い風情を物語る。