西安の阿房宮:オープンからわずか13年で取り壊し、転送

13年前に完成し、オープンした西安阿房宮がまもなく取り壊される。「天下第一宮」という美しい名前がついた観光地がこんなに短命に終わることは、各地で色々な名所が作られていることに警鐘を鳴らすものだ。

「とっくに壊されると思っていた」と阿房宮を1993年に誘致した聚駕庄村の支部書記楊懐軍はいう。合計480ムーの土地を2014年まで借りた。借地料は1ムー、毎年1,200元で、5年毎に20%高くなる契約だった。

 阿房宮は秦朝統一後建造された宮殿で、万里の長城秦始皇帝陵、秦直道と共に、「秦始皇帝の4大プロジェクト」と呼ばれる。2000年にオープンした阿房宮は、本物の阿房宮遺跡の近くにあり、一時は年間数十万人が訪問するほどだった。

 借地権が2014年で切れるので新たな投資はできなかった。一方、本物の阿房宮遺跡は2002年から2007年まで発掘を行い、考古ブームを迎えた。面積は880ムー、高さ7-9メートル、規模も歴史価値も観光用とは比べ物にならない。

 西安では、大明宮国家遺跡公園が2010年に完成、開放され、「保護しながら利用する」モデルが始まった。その後、漢長安遺跡の保護プロジェクトが始まり、阿房宮考古遺跡公園も建設日程に上ってきた。西安市は2.3平方キロの阿房宮考古遺跡公園を計画している。だから観光用の阿房宮観光地は役目を終えたのだ。

 専門家は、人が勝手に作った阿房宮観光地はあだ花で、今各地で進められている観光地作りに多くの教訓を残したという。