シルクロード、世界遺産に

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が、中国とカザフスタンキルギス3カ国によって共同申請されたシルクロード世界文化遺産登録を勧告したことが3日、分かった。6月15〜25日にカタールで開かれる世界遺産委員会で、群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」とともに正式決定される見通し。

 申請されたのは欧州と中国を結んだシルクロードのうち、長安(現在の西安)や洛陽から「天山回廊」を経て中央アジアに至る部分。諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)の説明では、全長約8700キロで、紀元前2世紀から紀元1世紀ごろにかけて各都市を結ぶ道路網として形成されたとされる。

 構成資産は玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典を収めたとされる「大雁塔」や、「麦積山石窟寺」など中国国内の22カ所、カザフスタン国内の8カ所、キルギス国内3カ所の計33カ所。

 イコモスは「当時のシルクロードの繁栄ぶりを示し、人的交流や思想伝達の役に立っていたことも分かる」としている。(共同)

 [2014年5月4日0時39分]