「陝西省の発展と未来」−2017CRI外国人記者 陝西省取材の旅 ⑦ここが前漢の中心!

2017年4月23日から29日まで、中国国際放送局(CRI)の外国人記者たちが陝西省への取材旅行に出かけました。陝西省はかつてのシルクロードの始まりの地であり、現代の「一帯一路」の要所でもあります。
 日本語部からは梅田記者と張強記者の2人が取材に参加しました。
 前回の記事は「⑥碑林はまさに石碑の林!」をご覧ください!
 ここは前漢時代(紀元前202年〜8年)の都であった長安の遺跡です(ちなみに中国では、西の長安に都があった前漢時代を「西漢」と呼んでいます。対して、東の洛陽に都があった後漢時代は「東漢」というわけです)。この場所は「シルクロードの始まりの地」でもあります。
 遺跡には博物館も併設されているのですが、そこに西安市の地図がありました。現代の西安の中心には「明城墙遗址」、つまり明代からの城壁があることが分かります。では、この前漢長安はどこなのかというと、中心から北西の「汉长安城遗址」とある赤いエリアです。同じ西安長安)でも、都を置いた時代によって中心地が変わってきたことが分かります。
 さて、入り口にある立派な標示がありましたよね。そこから遺跡の中心へ向かって進んで行くと、緑豊かな公園に出ます。このあたりは、地元の人たちの憩いの場になっています。この日も木陰でリラックスするご老人や子供連れの家族をたくさん見かけました。
 そして遺跡の中心には高台があります。あそこが前漢時代の政治の中枢だった場所だそうです。
 高台といっても、高さは20メートルほどで、海抜も400メートルに満たない場所です。
 しかし、西安は平野ですので、この高さからでも四方が見渡せます。
 遺跡から市街区のビル群まで見渡せる
 この遺跡、つまり城壁の内側は保護されており、建築はできません。
 逆に言えば、向こうに見えるビル群は城壁の外側であり、そのすぐ手前までが城壁内、前漢時代の長安だったということです。
 城壁の全周は25.7キロメートル以上あり、その内側の面積は36平方キロメートルあります。
 西安市の都会からそう遠くない場所にこのような広大な遺跡が残っていることに感激します。
 ここに立ってぐるりと見渡し、かつての都に思いを馳せることができました。
(梅田謙)