フランスのマクロン大統領が陝西省西安市を訪れた今月8日、空港で出迎えた人々の中で、白い頭巾をかぶり、赤い上着に白いズボンをまとい、腰にぶら下げた赤い太鼓をたたきながら踊っている姿が注目を浴びました。高原地帯である陝西省延安市安塞区からやってきた楽団で、太鼓は「中国太鼓の王」、「東洋一の太鼓」などと言われる「安塞腰鼓」です。安塞区は、このところ民間芸能を活用しており、出し物を演じてこうした太鼓や切り紙、農民絵画など庶民の芸術を海外にも伝えて、特色あるカルチャーツーリズムを発展させています。
地元・馮家営村の役人である李学芸書記は「ここには民俗文化の稽古の様子を見せる場所がある。村には、腰鼓の芸者が男女合わせて246人いて、年齢は6歳から87歳まで。8人から12人程度のミニステージも、100人以上の大きなステージも問題なく披露できる」と説明しました。
2009年に行われた、中華人民共和国成立60周年を祝うパレードでは、ここ安塞区から1000人もの腰鼓芸者が天安門広場へ行き、演技を披露しました。安塞区は、中華民族の伝統文化が特に集まった地域の一つです。腰鼓、切り紙、民間絵画、民謡、地方劇の5種類を代表とした庶民文化は海外でも有名です。
この中で、切り紙は「生きた化石」、農民絵画は「東洋のピカソの傑作」と呼ばれています。このため安塞区は、中国文化省から、「中国民間文化芸術のふるさと」、「腰鼓のふるさと」、「切り紙のふるさと」、「民謡のふるさと」、「絵画のふるさと」などと名付けられたほか、中国の伝統芸術協会から「伝統芸術のふるさと」と呼ばれています。(殷、森)