中国墓泥棒 墓に閉じ込められSOS 転送

“墓穴堀った”墓泥棒…墓室に閉じ込められ警察にSOS=陝西
 中国陝西省渭南市富平県で11月末、唐代の古墓に侵入して文化財などを盗もうとしていた男2人が墓室内に閉じ込められていたことが分かった。2人は通報を受けた警察に救助された。警察は容疑者の身柄を拘束して取り調べを続けている。新華社などが報じた。

 陝西省には秦、漢、唐など多くの王朝が都を置いた西安(旧長安)があるなどで、遺跡が多い。そして、盗掘が後を絶たない。富平県警察は11月27日夜、「墓泥棒をしている者がいる」との通報を受けた。

 警察官が現場に駆けつけると、盗掘をしていたとみられる男3人がいた。事情を聞き、一味は計5人だったが、2人が地下約20メートルの場所にある墓室に閉じ込められて、出てこられなくなったと分かった。25時間にわたって、地下に閉じ込められており、同時点では安否も不明だった。

 男らが堀った穴や墓室には再崩落の危険もあったが、警察は救助作業を実施することにした。内部が酸欠状態になっている可能性があったため、酸素ボンベを背負った救助チームの3人が地下に潜っていった。

 洞内の状態は悪く、救助チームが墓室近くにたどりつくのにかなりの時間がかかった。大声で呼びかけながら少しずつ進んだところ、約1時間後に、墓室内部で懐中電灯が振られていることを確認。助けを求める声も聞こえてきた。

 2人は崩れてきた土に、なかば埋もれていた。救助チームは2人を墓室上部に残されていた空間に引きずり出し、さらに地上に引き上げた。

 救助された2人は土だらけになった顔や衣服のままでしゃがみこみ、警察からもらった湯を力なくすすった。

 警察は5人の身柄を拘束し、取り調べを続けている。5人が狙った墓は、一群の唐代の皇帝陵の近くにあり、その他の皇族などを葬った陪葬墓のひとつという。(編集担当:如月隼人)