治水神「禹王(うおう)」、日本にも


中国の学生たちに碑に刻まれた内容について説明する大脇さん(中央)=6日・福沢神社
 西安外国語学校は、2014年に小田原市旭丘高校(水野浩校長)と生徒間交流を開始。これまで旭丘高校の生徒が2回訪中し、今回初めて中国から生徒が来日した。

 一行は4月3日から8日まで日本に滞在。旭丘高校の入学式に参加したほか、県西地域の生活や文化についても学んだ。見学はその一環で、中国に縁がある禹王について詳しい大脇さんにガイド役を依頼した。

 この日は旭丘高校の3年生5人と共に、富士山や箱根、酒匂川を一望できる松田山からの眺望を楽しんだあと、福沢神社を訪れ、大脇さんから禹王が足柄地域で大切にされてきた歴史について説明を受けた。

 西安外国語学校の賈(か)怡(い)楠(なん)さん(高校1年)は「日本で禹王の碑を見て、中国の文化が日本にも伝わっていることを実感した」と述べ、旭丘高校の北野絵里花さん(3年)は「日中の学生が一緒に学ぶ貴重な体験。国籍に関係なく交流できて良かった」と話した。

 大脇さんは「中国の治水神が290年もの間、足柄の地で大事にされ続けてきた意義を若い人に実感してもらうことは、日中関係の将来に向け大きな意味がある」と振り返った。

 中国北部、西安外国語学校の中学1年生5人と高校1年生5人が6日、南足柄市怒田にある福沢神社を訪れ、中国の治水神・禹王を祀る「文明東堤碑(とうていひ)」などを見学し、開成町に住む郷土史研究家の大脇良夫さん(74)から解説を受けた。